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今日もいい日

不定期更新な日記だったり定期更新ゲーム『False Island』の日記だったり。 気分次第で更新、今日もいい日。

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Invitation of work

気だるそうな声の主は、カウンターの奥でこちらに背を向けている女だった。
窓から差す夕陽の中で砂色の長い髪が動く。
女は、カウンターの後ろの棚にグラスをしまっている最中だった。
「ウチはお天道様が見える間は営業しないんだよ……出直してくれる?」
カウンターに向かいかけていた足の向きを変えて壁に近付くと、わざと大きな音を立てて窓を閉めていく。



「……ちょっと。壊れたら弁償してくれるの?」
「これで『お天道様は見えなく』なった」
全部の窓を閉め切ったことで、薄暗い店内はランプが必要なほどに暗くなっていた。
「営業時間になって客がいるんだ。やる事があるだろう」
「……」
振り向いた女の鳶色の瞳が、俺を見た。
俺の背格好ではなく、心の中を覗き込んでいるのではないかと思う、不思議な目つきだった。
若いが、俺よりは多少年上だろう……十九、二十の小娘にはない色気を感じる。
「随分とワガママな坊やだね」
「おとなしく仕事をするか?それとも犯されてから仕事をするか?」
女は肩をすくめるとランプに火を灯し、後ろの棚からグラスと酒瓶を取り出した。
「今度からは表に鍵、かけとかないとね」
「やめとけ。損するのはお前だぞ」
「へえ、なんで?」
「鍵かけりゃ扉の修理代もかかる」
何が面白いのか、女が笑う。顔はいい方だし、体つきも手頃だ。
久し振りの女という点を差し引いても、上物と言える。
注がれた酒を一息で飲み干し、空いたグラスを置いて二杯目を要求する。
「お前、名前は?」
「あたしはドミニク。この店の主人兼全従業員さ」
「女一人の店か。珍しいな」
「人手は足りないね……だからウチは酒しか置いてない。何か食べたきゃ他所に行くんだね」
酒を注ぐために近付いてきたドミニクの手を掴む。
少し力を入れれば、手の中で砕けてしまいそうな細い指だった。
「こっちをもらう」
「……言ったじゃないか、ウチは酒しか置いてない。他に売り物はないよ」
身をよじるでもなく、掴まれた手を振りほどくでもない。
ただ、じっと俺を見ている――どうもやり辛い。
何もかもを見透かすような、この目がいけない。
ふと力を緩めてしまった隙に、ドミニクは手を引っ込めてしまった。
が、後ろに下がるわけではない。そのまま、手を伸ばせば届く位置にいる。
「……荒っぽいね。この街は確かに何でもありだけど、無茶が過ぎると長生きできないよ?」
「どうでもいい」
「死ぬのが怖くないの?」
「俺はまだ死んだことがねえ。だから死ぬってのが何で怖いのか分からねえな」
ドミニクは目を細めて、何事か考えているようだった。
少し間が空いて、再びドミニクから声をかけてきた。
「あんた、名前は?」
「黒風。今はそれが名前だ」
「『今は』……ね。別に深くは聞かないよ。この街に来る奴なんて皆訳ありだからね……で、黒風」
「気安く呼ぶんじゃねえ」
俺の文句など聞いていなかったように、しごくあっさりと彼女は言った。
「ウチでさ、用心棒やってみないかい?」

テーマ:栗鼠ゲーム - ジャンル:オンラインゲーム

  1. 2008/08/22(金) 01:20:51|
  2. 偽島本編
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<自分で思っているほど大事な存在ではない。自分で思っているほど軽い存在ではない。 | ホーム | Violence junky>>

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False IslandのE.No412 Blackwind。
中の人はヘビーメタルと刀を愛する超甘党。

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