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今日もいい日

不定期更新な日記だったり定期更新ゲーム『False Island』の日記だったり。 気分次第で更新、今日もいい日。

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First day(But not so)

こまとすずがやって来たのは、前触れもなくある日突然にだった。
うちに居候をしていた虎の神、トウコツが思い出したように言ったのだ。



「黒風よ。忘れとったが明日から猫が二匹来るぞい」
「猫?それはニャーと鳴くあの猫か」
「その猫じゃ。ちゅうても普通の猫とちゃうがの」

トウコツ曰く、その二匹は長い時間を生きた猫が変化する猫又という妖怪なのだそうだ。
寿命の個体差によるが大体十五年から二十年ほど生きた猫が、適性があればなれるらしい。
が、その二匹は本人たちの強い希望と高い適性により、十年足らずでこの度変化したと言う。

「で、その猫又とやらがなぜ家に来るのだ」
「なりたての猫又は妖としての修行が要るんじゃ。普通は同族の猫か、種として近い儂ら虎ん所で修行するんじゃがの」
「その二匹、お前が面倒見るというわけか。たまには神らしい事もするのだな」
「それがのお、ちっと面倒があっての」

なんでも俺たちのいるこの世界とは別の世界で揉め事があったらしい。
その世界の神々では手に余るような事態だとかで、上役たるトウコツが出向く必要があるそうだ。

「話の流れからすると、お前が二匹を連れて行くわけではないようだな」
「そうじゃ。実に異例なんじゃが、二匹はおんしの下で修行したいっちゅうんじゃ」
「猫の妖に知り合いはいないはずだが……」
「何ぞあるんじゃろうが、その辺は儂もあんまし深く聞いとらん」

そこは非常に大事な所だと思うのだが。

「で、儂は明後日あたりに行かにゃならん。下手したら何年か戻れん」
「俺はどうなる?」

以前に俺はトウコツの力を分け与えられ、寿命を伸ばしてもらっている。
トウコツがいなくなって何年も戻ってこないとなれば、その間に本来の寿命がこないとも限らない。

「そこは安心じゃ。二匹に儂の力をちょいと渡しとくで、今後はおんしとそいつらが繋がる事になるわ」
「ほう。では現状からの違いは、お前が猫二匹に変わるというだけか」
「そういうこっちゃ。ま、儂と違うてまだまだ子供じゃからの、色々大変にゃなるじゃろが」
「十年近くも生きた猫ならそれなりに年寄りではないのか?」
「猫又になる時点でいっぺん身体も心も赤子同然まで戻るんじゃ。記憶は残っとるが、新しく修行し直すわけじゃな……なってからちぃと経っとるから、今は子供じゃ」
「大体は分かった。一度カレンに話をする」

以前ならともかく、今は連れ合いがいるのだ。家に関わる事は俺一人で決めるわけにはいかない。
カレンはトウコツが出て行くことには寂しそうだったが、新たに二匹の同居人ができる事には賛成してくれた。
「どんな子たちかしら」などと言って、いそいそと寝床を作ったりしてくれたほどである。

そして翌日。朝餉も終った我が家の玄関に、白猫と黒猫が現れた。
背筋を伸ばした見事な姿勢から、同時に左足を引いて黒猫が大音声。

「ご当家軒先の仁義、失礼ですがお控けえなすって!」

カレンもトウコツもきょとんとしている。控えろと言われても何をどうするのか、分かるはずがない。
が、この挨拶は東方の島国で教わった。
俺も一歩左足を踏み出し、右手の平を上に向けて返す。
礼には礼をもって当たるべしだ。

「お控えなすって」
「手前共、しがない猫にございやす。ご当家の親分さんとお見受けしやす、お控けえなすって!」
「お言葉、頂戴し逆意とは承知なれど控えさせていただく」
「早速のお控えありがとうございやす。軒先一尺借り受けまして、仁義を発しやす。手前、粗忽者にて前後間違いましたる節はまっぴらご容赦願いやす。手前共、生国は東方日の本、小せえ島国の無宿者にござんす。親兄弟なく姓もなく、名はただ『すず』と呼ばれおりやす。こちらに控えましたる白猫、手前同様姓はなく名は『こま』と呼ばれおりやす。稼業、未熟の猫又にて、以後万事万端お願い申し上げます」
「ご丁寧なお言葉、痛み入る。申し遅れたる無礼、平にご容赦を。当家主、故あって黒風とのみ呼ばれ居る。お手を上げられよ」
「親分さんからお手をお上げくださいやし」
「なれば共に上げさせていただく」
「ありがとうございやす」

す、とお互いに手を上げ、場に漂っていた緊張感がようやく解ける。

「あの、おじ様。今のは……」
「『仁義を切る』と言ってな。東方の島国の博徒たちに伝わる独特の挨拶だ」
「それをなんでおんしが知っとんじゃ」
「以前に旅した折に、懇意にしてもらった博徒に教わった……ところで、すず。こま」

玄関で仁義を切り終えて、また背筋を伸ばしていた二匹に声をかける。

「久し振りだな。まさかお前たちとは思わなかったぞ」

テーマ:栗鼠ゲーム - ジャンル:オンラインゲーム

  1. 2010/01/19(火) 18:48:59|
  2. 偽島本編
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