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不定期更新な日記だったり定期更新ゲーム『False Island』の日記だったり。 気分次第で更新、今日もいい日。

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Panther of Black

「うっ……!」

低く呻いて、カレンが左肩に突き刺さった剣を抜き、刀を構える。
目の前のアンネローゼは自分に対して明確な害意を持っている。
少なくとも自分の身を守るためには、戦わなくてはいけない。



しかし、構えたはずの刀は切っ先が定まらず、脚にも力が入らない。
膝が震え、手からも力が抜けていく。
視界が揺れ、映る世界の輪郭が溶け合ってぼやける。
刀が硬質な音を立てて地面に落ちる。
ぐらりと傾いたカレンを、黒風が血まみれの手で抱きかかえた。
カレンの呼吸は荒く、ぐったりとしている。

「カレン、しっかりしろ!……カレン!」
「思いのほか丈夫のようですね。とは言え、しばらくは動けないでしょう」
「……ただの傷ではない。毒か」
「毒といえば毒ですが、そうでないといえばそうではありません」

剣に付着した血を舐め取ったせいで、紅を引いたように唇が赤い。
恍惚の表情がふっと消え、その目が淫靡に細められる。
視線は黒風を見ていない。
つられるようにして、黒風もまた視線の先を追う。
アンネローゼと反対に、黒風は目を見開いた。
そこにいるはずのない人物が、呆然とした顔でそこに立っていた。

「……アンネローゼ……?」
「……黒風殿……これ、は……」

紛れもなく、彼女はアンネローゼだった。
たった今まで、信じられない行動を取っていたアンネローゼではない。
二人のアンネローゼが、今この場にいる。
一人は、黒風の血で染まった唇で微笑んでいる。
一人は、目の前の状況を受け止めきれずに戸惑っている。

「そろそろ来るだろうと思っていました」
「……何者……」

問い返すのが精一杯で、剣を抜くことができない。
変装の類とは明らかに違う。
少なくとも外見的には、完全に同一人物。
自分がもう一人いるという事実を、どうすればいいというのか。

「私は貴女。貴女と同じ記憶を持ち、貴女と同じ想いを持ち、貴女と違う行動を取れる……」

白銀の鎧が、墨を滲ませたように色をくすませていく。

「アンネローゼ・フォン・ニーダマイヤーが持ち続けてきた強い想いと、ほんの僅かだけ持っていた小さな悪意」

底の見えぬ淵のような、漆黒の甲冑。その手を振ると、空間から生まれたように新しい剣が姿を現す。

「黒風殿への想い。そして、そこで倒れている娘への嫉妬。私はその二つだけを持って生まれた、もう一人の貴女」

冷酷な笑み。淫靡な瞳。


















「貴女の願いを、私が叶えてあげましょう」


テーマ:栗鼠ゲーム - ジャンル:オンラインゲーム

  1. 2008/12/18(木) 22:30:24|
  2. 偽島本編
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中の人はヘビーメタルと刀を愛する超甘党。

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