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今日もいい日

不定期更新な日記だったり定期更新ゲーム『False Island』の日記だったり。 気分次第で更新、今日もいい日。

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B & B (Baby & Beast)

夜の森の中を、おっかなびっくり歩いていく者がいる。
風による葉ずれの音や、梟の鳴き声にいちいち身をすくませて、その速度は実にゆっくりだ。
「うう……なんだってあたしがこんな目に……」
大柄な体格、長大な斧槍。赤く染めた鎧と、同じ色の長い髪。
「アンネローゼ!テレーズ!……どこ行っちゃったんだよ……」
ガートルード・フォン・ビットフェルトは、月明かりも届かない深い森の中で、一人道に迷っていた。



事の発端は、遺跡内部での探索である。
彼女たちが追っている相手、オスカー・ローエンデルの手がかりを探して潜った遺跡で、ガートルードがまんまと魔法陣を踏んでしまった。
転移魔法が即座に発動し、あっと思う間もなく気付けば一人森の中。
しばらく待ってはみたがアンネローゼもテレーズも来ない。
恐らくは一度きりしか効果のない罠だったのだろう。
とにかく動いて、こちらから探しに行く方がいいと判断したガートルードは、あっちを彷徨いこっちを彷徨いを繰り返した。
その結果が、とっぷりと日は暮れ自分の現在位置も分からないという現状である。
島の中でも過疎地域らしく、一人の冒険者にも出会わない。
日のあるうちは(なんとかなるさ)と高を括っていたガートルードだが、いざ辺りが暗くなってくると途端に不安に駆られた。
歩幅は小さく、歩調はゆっくりになり、必要以上にきょろきょろと周囲をうかがっている。
はっきり言って、彼女は怖がりである。一般に霊感といわれるものを持っており、そういう気配には敏感だ。
幽霊とさえ会話できる彼女であるが、姿の見えない相手となると勝手が違う。
いっそ堂々と出てきてくれれば対処のしようはある。
声はすれども姿は見えず、という状況は鬼門だった。
誰かが隣にいてくれればまだいい。要するに寂しん坊なのだ。
「どうなってんだよ……なんかさっきもここ通ったような気がするし……」
不安は焦りを呼び、焦りは認識を狂わせる。方向感覚も定まらず、彼女は同じところをぐるぐる回っていた。
「おーい、誰かー!アンネローゼ、テレーズ!黒風ー!」
呼ばわっても答える声はない。
しんと静まった森の中で、返ってくる音はどれも歓迎できなかった。
「もう、この際オスカーでもいいよ……誰かいないのかよ……」
不安を抱えたまま行動すれば、必要以上に体力を消耗する。
圧し掛かる疲労感と寂しさに耐えかねて、ついに大きな木の根元に座り込んでしまった。
持参していた行動食は既に食べ切ってしまっている。
今はともかく、そう遠からず空腹も襲ってくる。
その予想が心細さに拍車をかける。
「…………ぐすっ」
思わず洟をすすってしまった時、ガートルードは気付いた。
周囲の音が減っている。
風は時折吹いているし、葉や枝が揺れる音は相変わらずする。
だが、虫や鳥の鳴き声がない。生き物の発する音がないのだ。
「……なんか、変だな……」
斧槍を杖代わりに立ち上がり、周囲を見回す。
どこが変わったとは言えないが、先ほどまでとは状況が違っている。
この時、普段のガートルードであれば樹上に控える気配を感じ取れていただろう。
だが不安から恐怖にさえ至った状態では、平常どおりの感覚を発揮できるはずもない。
右を見て、左を見て。正面に目を戻そうとした時、何かがすぐ目の前に飛び降りてきた。

淡い緑色の毛並みを持つ、大きな獅子であった。
太く力強い脚で大地を踏みしめ、獅子はガートルードに向かって大きく吼えた。

数秒の間、獅子は吼えた体勢のままで動きを止めていた。
敵意はないものとみえて、襲い掛かるわけではない。
一方のガートルードも、吼えられたままで固まっていた。
何の反応も見せないことを訝ったのか、獅子が小首を傾げて一歩近付く。
ガートルードがぺたんと倒れこむように尻餅をつき、
「う……」
その目にじわりと涙をにじませ、
「うわああああああああ…………」
獅子の咆哮にも劣らない大声で泣き始めた。

テーマ:栗鼠ゲーム - ジャンル:オンラインゲーム

  1. 2008/11/15(土) 20:04:49|
  2. 偽島本編
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  4. | コメント:0
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中の人はヘビーメタルと刀を愛する超甘党。

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